セロトニンは夜になると松果体でメラトニンの原料へと変化します。
ではなぜ、秋冬に不安遺伝子(セロトニントランスポーター遺伝子SS型)により、セロトニンの減少がおこるのでしょう?その説明には日光と松果体との関連で説明されています。日光は松果体を介してセロトニンを基質としたメラトニン生成を抑制しますが、日光の少ない冬季間はこのメラトニンを主体とした概日リズムが崩れ、不眠、気分変容、不安感の増強、うつへ進展するとのメカニズムが有力です。要は、日照時間が短くなるにつれ、不安感を感じるようになることの蓋然性がなんとなく理解できるのではないでしょうか。不安感が慢性的に続くことで、不眠、抑うつ状態(季節性うつ)、認知機能の低下、高齢者における事故、外傷が増え始め、とくに夕方以降の時間帯にはその傾向が顕著になるようです。
メラトニンにとってセロトニンは不可欠なホルモンということが分かりますね。
メラトニンはセロトニンから作られます。1,2話で述べたように、セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られ、またトリプトファンを脳内に送り込むためにはブドウ糖が必要でしたね。脳内のセロトニンそのものも精神状態を落ち着かせ睡眠を誘います。それゆえ、夕食にトリプトファンに富んだタンパク質(牛乳、卵、魚、肉、大豆製品)と炭水化物(ブドウ糖)を取ることによって、脳内にセロトニンとメラトニンが増え、自然で穏やかな睡眠が得られ、心地よい朝の目覚めが約束されます。
<番外編>夜でもOKなセロトニン活性化アクション
「セロトニンは活性化させるだけでなく、分泌を妨げる敵を減らすことも大事」だと言う、有田先生。ここでは、先に挙げた「ストレス」を減らすためにできることをご紹介します。
「ストレス軽減には、セロトニンと並んで『幸せホルモン』と呼ばれる『オキシトシン』の分泌を活性化させてあげると良いですよ。オキシトシンにはストレスを鎮める、癒す効果があります。心地良い触刺激によって増えるので、例えば親と子が触れ合ったりペットと遊んだり、マッサージを受けるのも良いですね。直接肌を触れ合わせることが難しい場合は、お喋りも効果的です。ただしここで重要なのは、表情を見るなど言葉以外のコミュニケーションが伴うこと。コロナ禍では対面でお喋りするのは難しいと思いますが、オンラインやテレビ電話など相手の顔が見える状態で会話できればOKなので取り入れてみてください」
メラトベルは国内唯一の小児で認可された「入眠困難への薬」です。
これから来る冬を前に気分が落ち込む秋ですが、とくに11月以降はその傾向が強くなっていくといわれ、それに伴い悪化する疾患は少なくありません。その中心にあるものは不安感であり、不安感を直接抑制する主体はセロトニン(ノルアドレナリンやドーパミンの作用を抑制する)といわれる脳内ホルモン(神経伝達物質)が挙げられ、日本人はセロトニンの最も不足しやすい人種であることが知られています。そのメカニズムは遺伝子上でセロトニントランスポーターの減少が多いためと言われます。とくに北日本の日本海側の地域に住む方がセロトニントランスポーター遺伝子SS型を有する割合が多く、神経終末におけるセロトニン濃度が低くなりやすいことから、不安を感じやすいと説明されています。日本人が不安遺伝子を有することが多い理由は諸説あるでしょうが、古来より自然災害や地域紛争が多かったことと関連付ける説が有力です。つまり、同じ不安を共有する日本人同士が集団となって災厄を乗り越えてきた記憶が遺伝子上に残り、現代の日本人の気質を作り上げたのかもしれません。
1つ目は、光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されます。光の刺激が目に入ると、視床下部にある視交叉上核という部分に伝わります。そこから、松果体へ情報を伝えます。この松果体がメラトニンの分泌を抑制します。
メラトニンと光は密接に関係していて、2つの大きな影響があります。
ところで、みなさんは夜ぐっすり眠れていますか?冒頭でもお話しした通り、実はセロトニンは「睡眠」とも深い関係があるのです!
有田先生いわく、その秘密の鍵を握るのは、夜ぐっすり眠るために必要な物質「メラトニン」。別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、このメラトニンが多いと寝付きもよく、ぐっすり眠れるのです。メラトニンは脳内の松果体という部分から分泌されるホルモンで、覚醒を睡眠に切り替えて、自然な睡眠を促してくれます。起床してから14時間〜以降の日暮れ頃から分泌され始め、たくさん作られるほど睡眠の質が良くなることがわかっています。ちなみに、メラトニンはアンチエイジングとも密接な関わりがあり、元気で若々しくいるためにも欠かせないホルモンなんですよ。
そして、このメラトニンを分泌するための材料となるのがセロトニンです。朝起きてから分泌され始めるセロトニンは、陽が沈むと昼間作られたセロトニンを材料にメラトニンを分泌し始めるのです。つまり、快眠のためには、セロトニンを日中たくさん作っておくことが重要なのです!
そのためには、やはり朝どう過ごすかが重要になってきます。「朝遅く起きると、その分セロトニンを作る時間が十分ではないため、当然夜のメラトニン量も減ってしまいます」と指摘する有田先生。太陽とともに起きて、夜は早く布団に入り、8時間前後は眠る…。現代人にとってなかなか難しいとは思いますが、人間本来の生活こそが心身ともに元気に過ごす秘訣だということが分かりました。
「寝付きが悪い」「熟睡できない」という睡眠の悩みを抱えている方は、もしかすると“セロトニン不足”になる生活を送っているのかもしれません。今回ご紹介した、セロトニン活性化を促す方法を取り入れて、できるところから生活&睡眠改善していきましょう!
松果体はメラトニンというホルモン(睡眠物質)を作り、分泌します。メラトニンは夜に(暗く)なると大量に分泌され、朝明るい光を感じるとその分泌がストップし、昼間にはほとんど分泌されません。メラトニンは、睡眠を誘うことによって疲労回復、記憶の整理、肌の新陳代謝、老化防止、肥満防止、免疫系の活性化といった重要な働きをしています。一方、朝日を浴びてメラトニン分泌が減少すると、スッキリと目覚め、体温が上がって体が活動モードに切り替わります。
メラトニンとセロトニンは大きな関係があることが分かってきています。
東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床、筑波大学基礎医学系で脳神経の基礎研究に従事。東邦大学医学部統合生理学で座禅とセロトニン神経・前頭前野について研究。2009年に日本初となるメンタルヘルスケアをマネジメントする「」を開設し、セロトニン研究の第一人者として、執筆、講演、メディア出演などで幅広く活躍中。
このようにメラトニンが減少してしまうので、年をとると眠りが浅くなってしまうのです。メラトニンを増やすことは子供ではあまり意味がありませんが、高齢者の方では効果が期待できるのです。
[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]
メラトニンの分泌が増えた1~2時間後に眠気が増大しスムーズな入眠を促します。また、メラトニンはフリーラジカルや活性酸素を消去する抗酸化物質としての性質を併せ持つことが明らかとなっており、快眠のみならず健康維持増進にも欠かせないことがわかります。
このメラトニンを増やすには、目覚めを促すセロトニンをしっかり出すこと。実は、このセロトニンは夜になると脳の松果体(しょうかたい)という部位で、メラトニンが生合成される原料となります。つまり、です。
では、このセロトニンを増やすにはどうすればいいでしょうか?それが、必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」。セロトニンの材料となる成分なのですが、自分の体内では作ることができないので、食事から摂る必要があります。眠るのは夜のことですが、質の高い睡眠への準備は、朝食からはじまっているのです。
松果体」から分泌される。松果体は目の網膜が受ける光の量の情報に基づき、メラトニン ..
実はメラトニンは、セロトニンを材料にして作られます。脳の松果体という部分にある酵素によって、セロトニンがメラトニンに変換されます。このような関係にあるので、セロトニンとメラトニンは何らかの関連があるのではと考えられてきました。
経路により調節されている. メラトニンは松果体から血中と髄液中に放出され
体内時計のリズムを司っているのはメラトニンですが、その刺激に従って自律神経を調整しているのがセロトニンではないかと考えられるようになってきています。
朝、太陽の光を浴びると脳の奥にある松果体(しょうかたい)へ約14時間後に「メラトニン」というホルモンを
●「トリプトファン」が含まれた食材を食べる
「セロトニンの材料になる栄養素は『トリプトファン』といって、自分では作れません。外から摂取することが必要なので、トリプトファンが含まれた食材を積極的に摂るよう意識したいですね。トリプトファンが多く含まれる食材は、豆腐・納豆・味噌・醤油・がんもどきといった大豆製品。牛乳・バター・チーズ・ヨーグルトといった乳製品にも豊富に含まれています。またセロトニンを合成するためには炭水化物とビタミンB6も補助的に必要になります。ビタミンB6はナッツや青魚などに多く含まれています。偏食さえしなければ日常的に十分摂取できるので、バランスの良い食事を心がけましょう」
ロトニン値をラジオイムノアッセイによって評価した。メラトニン、セロトニン値とも
インターネットをみていると、メラトニンを摂取すると悪夢が増えるという口コミなどがあります。メラトニンと悪夢の関係を考えてみましょう。
脳の松果体という部分から分泌され、夜間に分泌が盛んとなって眠りを誘い ..
メラトニンは覚醒後14~16時間後に再分泌されるため[7]、普段23時に就寝するなら7~9時までには起きて日光を浴びる必要があるでしょう。
加えて興味深いのが、メラトニンはセロトニンからつくられるということ。
●リズム運動を行う
「一定のリズムでできる簡単な運動を取り入れるのも効果的です。例えば、ウォーキングで身体を動かす、朝ごはんをリズムよく咀嚼して食べる、吐く息を意識して深呼吸をするなどです。私のおすすめは、朝起きて太陽の光を浴びながら30分ほど、疲れない程度に散歩することですね。これで日光浴とリズム運動を同時に行うことができます。ただし、『集中して行う』ことがポイント。“ながら”ではセロトニン活性化に繋がらないので、行動に集中して行ってください」(有田先生)
おける松果体からのメラトニン分泌の低下が関与していると考えられている。事実、神経発達
セロトニンの材料となる栄養素を摂取することもメラトニンの生合成を促すことにつながります。
り分ける視床、その下の視床下部、そしてメラトニンを合成分泌する松果体な
●太陽の光を浴びる
「最も手軽な方法は、太陽の光を浴びること。目の網膜が光を感じることでセロトニンが活性化されるので、窓の近くや外に出て10〜30分ほど、しっかりと太陽の光を浴びましょう。光の強さは2500~3000ルクス以上(※1)が望ましいため、500ルクス程度しかない家の中の電灯はNGです」(有田先生)
(※1)太陽の光は真夏で10万ルクス、曇りの日でも1万ルクスの照度と言われています。
[PDF] 幼若鶏の松果体の微細構造,特に明暗光周期との関連性につ
メラトニンは体内時計のリズムを整え、様々な身体の機能に関係していと考えられています。精神疾患の予防、生活習慣の予防、発がん予防、認知機能の維持、アンチエイジングなど、様々な疾患の予防や治療に効果があるのではと考えられてきました。
体においてセロトニン含有量が昼間に高く,夜間に減少し,メラトニン含有量はその逆のリ
しかし残念ながら、メラトニンをサプリメントとして摂取しても目に見えるような効果は得られません。ですが、体内時計にあわせた生活リズムが作れると、身体にいいのは間違いありません。メラトニンを摂取すると免疫が少しだけ上がることが報告されています。
メラトニンは、朝目覚めてから約15時間後に脳の松果体から分泌し始め、就寝1~2 ..
有田先生によると、セロトニンが作られるのは朝から日中にかけて。基本的に夜は作られません。つまり、セロトニンを増やすのは“朝”がベストタイミング!ここからは、有田先生がおすすめする、「朝やるべきセロトニン量アップのための方法」をご紹介します。
メラトニンは主として脳の松果体という部分から分泌されるホルモンで、セロトニンから作られます。 ..
松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。
松果体/pineal body, corpus pineale ..
メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。