十二指腸潰瘍のヘリコバクター・ピロリ感染症; 手術創の二次感染; 猩紅熱; 腎盂腎炎 ..
少し難しい話になりますが、海外でも米国臨床検査医学会 (CLSI) がESBL(Extended-spectrum β-lactamase)大腸菌の膀胱炎についてとりあげています。この大腸菌は抗生剤が効きにくく、難治性膀胱炎の原因菌の一種です。最初の抗生剤の選択は非常に大切なのです。
腎盂腎炎; 中耳炎; 乳腺炎; 熱傷の二次感染; 肺炎; 梅毒; 麦粒腫; 副睾丸炎; 扁桃炎 ..
初診時に行った尿検査で膿尿(混濁尿)があれば提出しております。膀胱炎の原因菌を見つける目的で行います。
下図はその結果です。原因菌は大腸菌で3+といい、かなりの菌量を認めます。図の右にはアルファベットがたくさん羅列しております。これは抗生剤の種類でその大腸菌にどんな抗生剤が効果あるか診断します。
敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、腹腔
膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症患者さんに対して高い有効性を示し、特に ..
膀胱炎の再発してしまう患者様の中には結石(膀胱結石、腎結石など)や、膀胱の機能異常(無意識で尿がうまく出せない。おしっこをしたのに残尿感などが原因で膀胱炎になっている方がいます。その場合はエコー(超音波)などでその原因をみつけて解決する必要があることがあります。まれではありますが、膀胱がんや男性の場合、前立腺がんでも尿の濁りから発見されることもあります。
実際、外来でおこなっている検査、治療方針について解説しており、膀胱炎の治療に従事している方、膀胱炎をどうしても治したい患者さまに参考にしていただけましたら幸いです。
腎盂腎炎は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
当院ではまず尿検査で炎症がないか確認します。炎症があればを行います。この検査は大切な検査で原因の細菌を見つけ、その細菌に効く抗生剤を確認する検査です。それによってピンポイントで効く抗生剤を選択します。
当院ではをしております。他の施設で膀胱炎の治療をしていてもなかなか治らない患者様が来院されることがあります。長い間抗生剤を内服してもすぐに再発してしまう患者様はご相談ください。
腎盂腎炎は主にβ-ラクタム薬やキノロン系薬といった抗菌薬治療が推奨されています。 解説. 腎盂腎炎の治療には抗生物質を用います。
トイレが近い(頻尿)、トイレに行ったのに膀胱のあたりに違和感がある(残尿感)、排尿をするときに痛みがある。など。
ひどくなると尿が赤くなる(血尿)、高熱や背部痛(左右どちらかの腰の痛み)があった場合は腎盂腎炎が疑われます。その場合、抗生剤の点滴などの治療が必要となります。
静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。また、点滴静注に際しては、日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液又は補液に溶解する。
治療はアジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、レボフロキサシンな どの内服を行います。
腎盂腎炎は、膀胱炎の症状に加え上部尿路の局所症状として側腹部痛や感染をきたしている側の肋骨・脊椎角部叩打痛などや、全身症状としての発熱が加わります。時に、悪心、嘔吐などの消化器症状も加わります。起因菌の種類は膀胱炎と同様グラム陰性菌が多くなっています。診断も上記症状に加え検尿所見で白血球の増多が確認できます。全身症状が加わるので採血でも白血球上昇、CRP高値、赤沈亢進などが確認できます。症状の程度によっては外来加療も可能な例もありますが、入院が必要となる場合も多くあります。入院加療の場合、抗生物質の点滴静脈投与による治療となります。治療には①セフェム系抗生物質、②点滴静注キノロン系抗生物質、③βラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質などが考えられます。Empirical Therapyとして開始し、3日を目安に改善が無い場合、尿培養・感受性試験を確認し切り替えます。通常14日間の治療を要します。次に述べる複雑性尿路感染としての腎盂腎炎の場合、非常に重症化する例も見られ、集学的治療を要する場合もあり注意が必要です。
[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
前項で述べた膀胱炎、腎盂腎炎以外の泌尿器感染症として男性における前立腺炎・精巣上体炎があります。前立腺・精巣上体は精液に関わっている臓器で、性器感染症に分類します。
クラリスロマイシン錠 英語:clarithromycin ; 販売名 / 薬価
ここで述べる前立腺炎とは急性細菌性前立腺炎です。NIHの分類ではI型前立腺炎とされています。症状は膀胱炎様症状つまり排尿時痛・頻尿などに加え前立腺の炎症による腫大から排尿障害が加わります。場合によっては尿閉となることもあります。また、会陰部不快感、会陰部痛なども前立腺炎の症状として訴える事があります。また、全身症状として発熱を伴う事が多いです。診断はこれらの自覚症状に加え、検尿所見での白血球増加、そして直腸診上前立腺の熱感のある腫脹、圧痛があります。直腸診による前立腺の触診は菌血症をきたす場合があるので注意が必要です。治療としては前立腺に移行性の良い抗生剤が有効で①キノロン、②ST合剤などがよく用いられます。尿閉の場合、尿道カテーテル留置よりは超音波ガイド下恥骨上穿刺膀胱瘻が理想的です。
クラリス錠200 / 30.0円 ; 規格単位(薬価が適用される単位)
敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、中耳炎
尿路性器感染症 (Genitourinary tract infections)
【11.1.1】ショック,アナフィラキシー〔呼吸困難,痙攣,発赤等が発現〕【11.1.2】QT延長,心室頻拍(torsade de pointesを含む),心室細動〔QT延長等の心疾患のある患者,低カリウム血症のある患者においては特に注意。[9.1.2参照]〕【11.1.3】劇症肝炎,肝機能障害,黄疸,肝不全〔劇症肝炎,AST,ALT,γ-GTP,LDH,ALPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸,肝不全が発現。[9.3参照]〕【11.1.4】血小板減少,汎血球減少,溶血性貧血,白血球減少,無顆粒球症〔[8.2参照]〕【11.1.5】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑〔投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.6】PIE症候群・間質性肺炎〔発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等が発現。このような症状が現れた場合には投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.7】偽膜性大腸炎,出血性大腸炎〔偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の重篤な大腸炎が発現。腹痛,頻回の下痢が現れた場合には投与中止〕【11.1.8】横紋筋融解症〔筋肉痛,脱力感,CK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇が発現。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意〕【11.1.9】痙攣〔痙攣(強直間代性,ミオクロヌス,意識消失発作等)が発現〕【11.1.10】急性腎障害,尿細管間質性腎炎〔乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には投与中止〕【11.1.11】IgA血管炎【11.1.12】薬剤性過敏症症候群〔初期症状として発疹,発熱がみられ,さらに肝機能障害,リンパ節腫脹,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が発現。投与中止後も発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意〕
[PDF] 効能・効果、用法・用量及び使用上の注意改訂のお知らせ
性感染症の一つとして受診してくる場合がほとんどで、若い男性のクラミジアや淋菌による感染症が中心です。陰嚢部の腫脹、疼痛を訴え、尿道炎、膀胱炎の症状を伴うこともあります。また発熱を伴う場合もあります。触診で、精巣上体部の硬結や圧痛を認めます。これらの症状、所見に加え、膿尿や採血での白血球増多などの炎症所見を認めます。時に精巣腫瘍を心配して受診される方もいますが、泌尿器科専門医を受診して診察してもらうことをおすすめします。陰嚢の腫脹に関して言えば精巣上体炎、精巣腫瘍のほか、精索捻転、陰嚢水腫、鼠径ヘルニアなど重要な鑑別診断が存在し、注意が必要です。治療はクラミジアや淋菌を念頭に入れて治療するので①セフトリアキソン+アジスロマイシン、②キノロンなどの選択肢が考えられますが、現在、淋菌はキノロン耐性株が非常に多いので注意が必要です。
医療用医薬品 : サワシリン (サワシリンカプセル125 他)
泌尿器科で扱うことの多い疾患の中に性感染症が含まれます。性感染症とは性行為によって伝播する感染症の事を言います。以前は梅毒や淋病など、性器に症状が出現する疾患のことを指していたために泌尿器科で扱う事が多くなっていましたのですが、広義の性感染症を起こす原因微生物は実に多彩です。性感染症をきたす主な病原微生物として、梅毒スピロヘータ、淋菌、クラミジア等の細菌類に加え、単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、HTLV-1のようなウイルス類、トリコモナス、アメーバ赤痢、ケジラミ、疥癬のような原虫・寄生虫まで含まれます。当然のことながら症状も多彩で、尿道炎、精巣上体炎、子宮頸管炎のほか、咽頭炎、結膜炎、直腸炎なども入ります。尿道炎の症状や性器に潰瘍やいぼを作ったりする感染症は自分でも見つけやすいと思われますが、HIV感染症や肝炎ウイルスの感染症などは他の病原体による感染症を合併していなければ性器に変化をきたすことはありません。泌尿器科でよく見る疾患は次の通りです。
カンピロバクター クラリスロマイシン経口(CAM)3~5 日間 ..
泌尿器科に受診するような梅毒は第一期梅毒です。初期硬結として局所に硬結を作り、やがて潰瘍を形成します。通常痛みが無く、放置していても2~3週間で消失します。この段階で放置すると第二期梅毒となるまで症状が出てきません。第二期梅毒では血行性にトレポネーマが全身性に播種され、多彩な発疹が全身に出現します。梅毒感染の場合HIV感染も併発していることが多く注意が必要です。診断には梅毒血清反応としてカルジオリピンを抗原としたRPRに加えて、TPHA法、またはFTA-ABS法を行います。治療にはペニシリン製剤がよく効きます。ABPCやAMPCの経口剤、ミノサイクリンも使用することがあります。通常2~4週間の投与が必要とされます。TPHA等は陰性化しないことがほとんどですが、カルジオリピンを抗原とした検査による抗体価が治療効果を反映しますので8倍以下になるまで治療を継続します。
[PDF] 別添 再評価が終了した医薬品の効能・効果、用法・用量等(参考)
淋菌感染症で泌尿器科を受診する場合、尿道炎として受診される方が多いです。放置していた場合は精巣上体炎となって受診する方もいます。淋菌による尿道炎における排尿時痛は非常に強く、火であぶった火箸を尿道につっこんだような痛さらしいです。尿道から膿が常に排出されるような状態で、いつも精液を垂出しているgono:精液とrrhea=流出を併せてgonorrhoeaeと名付けられています。診断として、現在は核酸増幅法で尿から淋菌を検出することが出来ますが、以前は綿棒を尿道口に差し込んでスワブを採取していました。また、尿沈渣のグラム染色にてグラム陰性双球菌の検出は最も早く結果が出ます。無論、これだけで淋菌と確定は出来ませんが症状などと考え合わせれば診断の一助となります。治療は淋菌に有効な抗生剤を使うことですが、本邦では淋菌の抗生剤に対する耐性化が進んでおり、特にキノロンに対する耐性率は80%ほどになり、キノロンは全く使えません。現在、有効な薬剤はセフトリアキソン、セフォジジム、スペクチノマイシンの3剤のみです。
サワシリン細粒10%の基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
クラミジアは淋菌と同様、男性には尿道炎、精巣上体炎、女性には子宮頸管炎などをきたしますが、その症状は淋菌よりは軽度です。自覚症状に乏しい場合も多くあります。30%程度は淋菌と同時に感染しているのでその場合は強い症状が出てきます。パートナーが複数いる女性の1/4にクラミジアが存在すると言うデータもあります。症状が乏しいため、きちんと治療していない可能性が示唆されます。診断には尿からクラミジア核酸検出するSDA法やTMA法などの方法があります。淋菌も同時に検出出来る方法もあります。治療として、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリンの他、レボフロキサシン、シタフロキサシン、トスフロキサシンなどのキノロン系の薬剤も効果があります。しかし、淋菌が同時感染している場合、前項のように淋菌はキノロン耐性がほとんどですので注意が必要です。
治療薬は何が処方される? · レボフロキサシン(第一選択薬) · シプロフロキサシン · クラリスロマイシン.
単純ヘルペス(HSV)1型もしくは2型の感染で性器に潰瘍、水疱性病変をきたし、しばしば痛みを伴います。HSVは感染後、仙髄神経質に潜伏感染し、再活性化されると神経を伝って下行、支配領域の神経先端皮膚に病変を形成します。診断にはウイルス分離、血清抗体測定、PCRによる検出などありますがいずれも迅速な診断とはいきません。既往歴や陰部の診察、症状などからHSVを疑ったら治療を開始するほうが良いかもしれません。治療としてはアシクロビルの内服になります。アシクロビルはHSV の持つチミジンキナーゼによりリン酸化され、DNA 鎖に取り込まれ、DNA 鎖の伸長反応を止めることでウイルス増殖を抑制します。つまり、ウイルス感染細胞にのみ働きますので非常に安全な薬です。しかしあくまでウイルスDNA複製を止めるだけで、潜伏しているウイルスまで拝上することは出来ず、状態によってはまた再発は起こることを十分に話しておくことが重要です。