本事例は、サワシリン細粒10%を後発医薬品のワイドシリン細粒20%へ規格を変更して調剤 ..
市販薬は処方薬にくらべ、一般に作用がおだやかです。だから安全ともいえます。
けれど、総合感冒薬は疑問です。せき、鼻水、のどの痛みなど、すべてに対応する成分が入っているからです。せきだけなら他の成分はいりません。不必要な成分まで体内に入れてしまうわけですね。処方薬は「せき」なら「せき」、と一つ一つに対応させますから、不必要な薬を飲むということがありません。
また、子どもの市販薬は年齢によって成分量は変えてあるものの、○~○才などの表示です。一方、処方薬はその子の体重に合わせて成分量を決めています。また体質なども考慮します。市販薬は万人むけの既製服、処方薬はオーダーメードと表現されるゆえんです。
それはつまり市販薬には、あまり強烈な効果はないということ。実際、市販薬でも十分な症状というのは、極端に言えば「薬がなくても十分な症状」です。
「1才以下の赤ちゃんには市販薬は用いないほうがいい」とよくいわれますが、大人であれ、市販薬は結局一時しのぎ。病気のときは病院を受診するほうが賢明です。
ちなみに、卵や牛乳アレルギーのある子は使えない市販薬もあるので、購入するなら薬剤師さんに確認してからにしましょう。
AMPC:アモキシシリン(サワシリン®、パセトシン®、アモリン®、ワイドシリン®) CLDM:クリンダマイシン(ダラシン®)
ぼくのクリニックでは、お母さんから特に申し出がないかぎり、原則として粉薬を処方しています。なぜかというと、水に溶かしたときなども、飲む量が少なくてすむから。少量ならだましだましでも、赤ちゃんに何とか飲ますことができるからです。
シロップは、赤ちゃんがいやがったとき、必要量をきちんと飲ませられないことがあります。また、シロップは日数分がまとめてボトルに入っているので1回量が不正確になりやすい。まちがえて一気に飲ませたりしても大変です。粉薬にくらべて日持ちしないということもあります。
でも、粉が苦手というならシロップで出しますから、診察のときに言ってくださればOK。味なども、苦手なものがあったらぜひ言ってください。
なお、慢性の病気ならともかく、一時的な感染症なら、全部きっちり飲むのを前提に必要最低限の量、日数の薬を使うのが原則です。「多めに」「余分に」は必要以上の薬を用いることにもなり、意味がないばかりか、有害ですらあります。失敗して早めに薬がなくなってしまったなら、再受診して追加の薬をもらってくださいね。
水に溶かしてシャーベットにする…、好物に混ぜる…、お薬服用ゼリーを使ってみる、練ってお団子状にして頬の粘膜になすりつける、そんな工夫を重ねてもどうしてもダメというなら、しかたありません。鎮咳薬、去痰薬など対症療法(症状を緩和するのが目的)の薬で、緩和しなくてもよい程度の症状なら、無理やり飲ませなくてもいいですよ。
一方、どうしても飲んでくれなければ困る薬もあります。菌による病気のときの抗菌剤が代表です。
むろん、どうしても粉薬がダメというなら抗菌剤でも坐薬がありますし、注射という手も残されています。でも、そこまでしなければいけない子はまれ。お母さんが根性すえて、腹すえてかかれば飲めます。飲めるものです。つまり「この薬は絶対に必要」というお母さんの理解と“気合い”です。
に従いアモキシシリン細粒 20%「TCK」(試験製剤)とワイドシリン細粒 20%(標準製剤)
忘れてしまったり、飲ませられなかったのならしかたありません。下のイラストも見てください。これは菌と抗菌剤の闘いを例にしたものです。有効な濃度の薬が血液中にあるうちは、菌も減っていきます。飲み忘れたときは空白の時間帯ができることになります。この間は薬の血中濃度が低くなるので菌はふえるし、そのために治りが遅くなるかもしれません。
でも、失った空白の時間は取り返せません。この時間帯は薬成分が体内になかった=薬の効果は得られなかったというだけです。
ここでもし2回分を飲んだら、薬の血中濃度も1回の必要量の2倍になってしまいます。だから2回分をまとめて飲ませるのは原則としてダメ。ただ、すでに前の薬から4時間以上たっているなら、次回、予定より早めに飲ませてOKです。
同じ成分の薬でもメーカーが違うと製品名が違います。【サワシリン】【パセトシン】【ワイドシリン】はすべて同じ成分(=アモキシシリン)です。他にも【アモリン】【エフペニックス】など、アモキシシリン成分の薬は、10以上あります。
では、同じ成分ならどれを選ぶかですが、①その子が好む味や香りのものを使う。②医師はそれまでの経験で自身がよく処方してきた商品、つまり「使い慣れた商品」を処方する傾向がある(同じ成分でもあまり浮気?をしない)。③同じ成分なら患者さんの負担にならないよう価格の安いメーカーの商品を選ぶ医師もいる。
「同じ目的の薬なのに…」とお母さんが感じるのは、おおよそこうした理由によるものではないでしょうか。
また、お母さんには「同じ目的の薬」に思えても、実は成分や目的は微妙に違っているという場合もあります。たとえ「かぜ」という診断は同じでも、そのときそのときで症状やその重い.軽いは違うからです。特に菌が原因の病気であれば、原因菌によって使う抗菌剤の種類が違ってくるのも当然です。病気は毎回違うのですから、むしろ「同じ薬」のほうがおかしいといえませんか?
薬の効果についても同様です。「病院によって効き方が異なる」のではなく、病気によって効果の出方も違うのです。
たとえば菌が原因の病気での発熱なら、適正な抗菌剤を使えば熱も下がっていきます。でも、ウィルスによる病気だったら抗菌剤を飲んだからといって熱は下がりません。
実際、子どもにはウィルスによる病気が多く、これらの病気は薬が治してくれているわけではありません。たとえばアデノウィルスによる扁桃炎や咽頭結膜熱(プール熱)などは、どんな薬を用いてもだいたい5日間くらいは高熱が出ます。自然に治るべき時期にきたから、治っているのです。対症療法の薬については、薬が効く=治すではないことを、理解しておきましょう。
現在、アモキシシリン(AMPC)は、本邦で承認されている小児の最大投与
・48時間以上持続する耳痛がある。・過去48時間に体温が39°C以上である・両側性急性中耳炎または耳漏(耳だれ)がある。
1日3回の薬は、便宜的に「食後」に指定されている場合もあります。ポイントは「飲み忘れない」「一定間隔で用いる」ということです。ですから、食事時間にこだわらなくてかまいません。
たとえば鎮咳薬や気管支拡張薬などは、せきがひどくなる寝入りばながいちばん効いてほしい時間帯。ですから、寝る少し前に飲ませるようにしてもいいのです。「何も食べていないので薬も飲ませなかった」という話もよくあるのですが、たとえ何も食べていなくても薬は飲んでください。「空腹時に薬を服用すると胃が荒れるのでは」と心配する人もいますが、赤ちゃんに処方される薬には、胃が荒れるようなものはありません。むしろ抗菌剤などは、空腹時のほうが吸収がいいのです。
実際、赤ちゃんはおっぱいやミルクでおなかいっぱいになったあとでは、おいしくもない薬を飲んでくれません。また飲んだ薬を吐いてしまうこともあります。むしろ空腹時に飲ませ、口直しにミルクや好きなものを食べさせてあげるほうがおすすめです。
嘔吐症状のあるときは、坐薬を処方するか、薬なしで嘔吐がおさまるまで短時間の絶食をするのが一般的です。嘔吐も、たいていは半日~1日で峠を越すからです。
泌の両方により排泄されるアモキシシリンと比較して、腎臓の近位尿細管の輸送担体.
急性中耳炎による耳の痛みの治療には、イブプロフェンまたはアセトアミノフェンの経口投与が推奨されます。局所用の痛み止め(点耳薬)は、2歳以上の小児に使用を考慮されますが、鼓膜穿孔のある小児には使用できません。充血除去剤や抗ヒスタミン薬は使用しないことが推奨されます。
抗生物質による初期治療を行うかまたは経過観察するかの選択は、子供の年齢および側性と病気の重症度によって異なります。
・胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。
アモキシシリン(ペニシリン系 本院ではパセトシン、サワシリン、ワイドシリン) ..
そのほかに連鎖球菌感染性小児自己免疫神経精神障害:PANDAS(Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcal infection)というのがあります。溶連菌感染症との関連性が証明されたわけではありませんが、感染後に急性に発症する強迫性障害の症状やチックなどの症状を認めます。
もう一つは溶連菌感染後反応性関節炎:PSReA((post-streptococcal reactive arthritis)です。リュウマチ熱に似た関節の症状を呈しますが、後遺症は残らず治癒します。
④ 原則としてアモキシシリン(AMPC, 商品名ワイドシリン)60mg/kg/日(2 歳未満ある
・中耳炎
:肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因。第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン
よく中耳炎になり耳鼻科にかかりますかかりつけの耳鼻科では、大体抗生物質はワイドシリンかメイアクトかクラバモックスが出されます。ひどい時?
細菌は人間の都合に合わせてくれません。細菌は「この子は保育園に行ってるから手加減してやろう」なんていうことはなく、「どうにかして生き延びよう」とするものです。抗菌剤は適切な量を適切な回数使うことも大事なことです。
ワイドシリン細粒20%の概要 ; ワイドシリン細粒20% · アモキシシリン水和物細粒
「保育園でのませられないので、1日2回にしてほしい」よく言われることですが、ここで「1日3〜4回」と記載されている抗菌剤αを「1日2回」で処方するのは、効果の点で問題があるだろうと考えます。
同じ成分の薬でもメーカーが違うと製品名が違います。 【サワシリン】【パセトシン】【ワイドシリン】はすべて同じ成分(=アモキシシリン)です。
お母さんたちの疑問はもっともだと思います。事実、抗菌剤はウィルスには効きません。ではなぜ抗菌剤が処方されるか。二次的な細菌感染を予防する目的だとか、見ただけでは細菌感染かウイルス感染かわからないので念のために投与するとか言われています。
しかし「ウィルス感染症にかかっているとき抗菌剤を投与すれば、二次感染の予防になる」というエビデンス(データによる証明)は、現在のところありません。つまり、予防できるとはっきりわかっているわけではないのに投与されているのが実態なんですね。
小児科医の学会では、こうした「念のため」「とりあえず」の処方はもうやめよう、という意見が強くなっています。
なかでも問題になっているのはセフェム系第3世代の抗菌剤です。この系列の薬は、長く使っていると耐性のある菌が生まれてきやすいのです。熱があるからといって何でもかんでも抗菌剤を投与していると、本当に菌による病気になったとき、なかなか抗菌剤が効かないということになりかねません。
また最近はペネム系をいう新しい系列の抗菌剤も登場しましたが、これも、それ以外の抗菌剤では効かない菌のために大事にとっておきたい薬です。
たとえて言えば、ペニシリン系はライフル、セフェム系はマシンガン、ペネム系は最後の切り札ミサイルです。敵(菌)をやっつけるためには、相手に合った必要最小限の武器から用いるのが大切なんですね。
もしあなたの主治医が「熱が出れば抗菌剤」なら、抗菌剤が本当に必要かどうか、聞いてください。医師には説明する責任があります。納得いかないようなら、病院をかえてもいいでしょう。服用の期間についても、医師は必要だから処方しているはずですので、同じように説明を求めてください。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
日本では第三世代のセフェム系抗生剤の5日投与という方法をされている先生もいますが、まだ国際的には認められているものではないと思いますし、個人的な意見としては第三世代のセフェム系を安易に使用しない方が良いと思っています。この抗生剤にはまだリュウマチ熱を予防できるというエビデンスがないこと、また抗生剤に含まれるピボキシル基の副作用で低カルニチン血症があるためです。カルニチン欠乏症は、筋肉症状(筋肉痛、ミオパチー、筋肉壊死など)、低血糖、脂肪肝などの脂肪蓄積、脳症、高アンモニア血症(肝性脳症)、心筋症・心不全などを引き起こします。 重篤な欠乏症では不可逆的な脳・臓器障害を来すことが多く、低血糖による昏睡などで死に至ることもあります。
『アモキシシリン・クラブラン酸』と『セフジトレンピボキシル ..
例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。
アモキシシリン水和物細粒の主成分/剤形が同じ製品同士の薬価について比較 ..
ご質問を寄せてくださったのは、アトピー性皮膚炎のお子さんをお持ちのお母さんではと推察します。アトピー性皮膚炎の治療の最初の選択はステロイドの塗り薬ですからね。しかも、ある程度の期間は使うことが必要になりますから。
アトピー性皮膚炎の場合では、休みなく使いつづけていると、皮膚が薄くなったり、血管が浮き出したりすることがあります。アトピー性皮膚炎の起こっている部分はもともとバリア機能が低下しているのですが、さらに抵抗力が落ち、カビや菌などにも感染しやすくなります(抗菌剤が効かなくなるということはありません)。
また、皮膚から慢性的に吸収される‥‥‥、つまり外から常にホルモンが入ってくるので、体内でステロイドホルモンを分泌する副腎の機能が抑えられてしまうことも、まれにあります。けれど、医師はこうしたマイナス面も念頭に置きつつ、それでも必要だからステロイドを処方するのです。いま述べたようなことが起こらないよう、必要最低限、短期間の使用ですむように、いろいろ工夫もしています。いきなり中止せず、段階的にランクや量を減らしでいくのも、そのひとつ。
ステロイドはアトピー性皮膚炎の治療にすぐれた効果を発揮する薬ですから、そのように、正しく用いることが必要です。適正に使うことまで、むやみに嫌うのも問題ではないでしょうか。
まずどのくらいの期間使うのか、そのほかどのようなケアをしたらいいのかなど、しっかり医師に聞いて下さい。塗り方やスキンケアの指導もなく、ただ「塗ってください」という指示しか出さない医師なら、病院をかえてもいいでしょう。
註2)CVA/AMPC : クラバモックス(96.4mg/kg)
ペニシリン系の抗生剤を10〜14日服用します。ペニシリンGが理想ですが、アモキシシリン(ワイドシリン、サワシリン、パセトシンなど)が使用されるのが一般的です。
ワイドシリン細粒 10%及びワイドシリン細粒 20%は、服用し易くするため ..
伝染性膿痂疹(とびひ)は、紅斑をともなう小水疱を形成します。やがて膿疱となり5日前後で厚いかさぶたになります。
猩紅熱は、紙やすり状の湿疹が全体(手掌、足底、口周囲には通常見られません(口囲蒼白))に見られます。
乳児では、外陰部や鼠蹊部に湿疹(ステロイド抵抗性)を認めることもあります。
蜂窩織炎は、急速に広がる皮膚および皮下組織の炎症性疾患で、局所の発赤、腫脹、自発痛、圧痛、全身の発熱を認めます。
壊死性筋膜炎は深部組織と筋膜の感染症です。急速に筋膜の壊死が拡大し、生命の危険が高い感染症です。一見しての診断は簡単ではありません。
ワイドシリン細粒20%(Meiji Seika ファルマ株式会社)| 処方薬
薬にはそれぞれターゲット(菌や体内の炎症など)があります。その部分にだけ作用してくれればいいのですが、ときにはターゲット以外の部位にも作用したり、目的以外の反応を引き出すこともあります。これが「副作用」。「副作用のない薬はない」とよくいいますが、こうした反応が出るのは、ある程度は避けられません。
大事なのは、その副作用がどのくらいの頻度で起こるのか、どの程度重いのかということです。
たとえば抗菌剤は正常の腸内細菌まで殺すため、うんちがゆるくなることがあります。大人の女性の場合、腟内を清浄に保つよい菌が死んで、おりものがふえることもあります。これらは薬の使用がすめば元に戻りますし、命にかかわる症状というわけでもありません。一方で、まれだけど重大な副作用もあります。副作用=重大でこわいもの、と十把一からげに考えないことも大事です。
いずれにしても、薬を用いることで得られる効果(ベネフィット)と副作用(リスク)を、天秤にかけて用いるのが大切です。心配なときは医師から納得いくまで説明を受けてください。