高齢者の睡眠トラブルを解決しよう!快適な睡眠をとるための対処法


睡眠不足は高齢者にとって病気や転倒など、日常生活を脅かす原因になりかねません。この記事を参考にして、睡眠不足が解消できるような生活習慣を身につけましょう。


高齢者の睡眠障害(上) なぜ寝つき悪い? メラトニン低下でリズム乱れ 物音や尿意で覚醒.

認知症には多くの種類がありますが、認知症患者全体の60%以上を占めているのが『アルツハイマー型認知症』です。アルツハイマー型認知症は、脳の〝老廃物〟〝ゴミ〟と考えられている物質「アミロイドβ」の増加が関係しています。このアミロイドβは睡眠中に排出されるので、睡眠の質が下がると増加・蓄積し、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まったり、すでに発症している場合は、進行が加速してしまったりということも考えられます。
しかし、メラトニンの分泌を促し、睡眠の質や量をコントロールしていくことにより、認知症の危険因子であるアミロイドβの排出や蓄積を軽減することが期待できます。
冒頭でふれたように、抗酸化作用もあるため、エイジング対策のサポートにもなり得るものです。
年を重ねても、体内でできるだけ多くのメラトニンが作られるよう、日常的に工夫してみましょう。

現在、日本人の40~59歳では約5人に1人が、60歳以上では約3人に1人が、何らかの睡眠障害を抱えているそうです。確かに、夜型の現代社会は、コンビニや飲食店などの「24時間営業」は当然という時代に突入しており、街には深夜まで煌々と灯りがともっています。また、就寝直前までテレビやパソコンに触れ、ベッドに入ってからもスマートフォンを見ている人は多いようです。
先述のとおり、メラトニンの分泌は、夜になってから=太陽光がなくなってから始まります。自然の流れでは太陽が沈んでいる時間帯なのに、蛍光灯やブルーライトといった人工的な光を断続的に浴びることにより、体のリズムが乱れることは、想像に難くありません。
このことが原因でおこる不眠症は、体内時計がずれる「リズム障害」とも言われています。現代では10代~20代の若い世代にも当然起こりうる不眠障害・リズム障害ですが、メラトニンの分泌量が激減している50代以降の中高年の方々には、少しでも回避したい問題であり、質の良い睡眠をとるための重要なポイントです。

「うつ病と認知症」については、このコラムの Vol.42『老年期のうつ病について ..

しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。

薬による依存性、転倒リスク、翌日への持ち越し効果に気を付けながら、あなたにとって、最適な睡眠薬の種類と用量を決めていきます。睡眠薬に抵抗がある場合には、という選択肢もあります。

高齢者は,加齢により早朝覚醒・中途覚醒の頻度が増え睡眠時間が減少するが,その原因は体内時計の調節機能低下にあると考えられる1)。

『メラトニン』は、私たちの体内で合成されるホルモンの一つで、一般に「体内時計」と呼ばれている〝体のリズム〟を整える働きをしています。人だけでなく、すべての脊椎動物の体内で分泌されている物質で、特に、睡眠と覚醒に影響を与えていることで知られています。
メラトニンの血中濃度は夜間になると上昇し、これが、人が「休息をとる」「睡眠をとる」というシグナルになります。ちなみに、夜行性の動物にとっては「活動を始める」というシグナルとして伝わっているそうです。
さらに、近年の研究でメラトニンには『抗酸化作用』があることもわかってきました。人の体内で起こる酸化は、「活性酸素」の悪影響によって体が錆びているような状態になり、がんや生活習慣病などの原因となってしまう状態です。抗酸化作用は、この活性酸素を抑えてがんの予防や生活習慣病の改善を促す働きで、美容に着目したエイジング対策としても期待できるものです。

メラトニンは光と密接に関係しています。高齢の方は、メラトニンを分泌する力が落ちてしまいます。ですが、日中にしっかりと光を浴びることで、健康な高齢者よりもメラトニンの分泌量が大きく増加されていることが示されています。

老年期には、メラトニンの分泌量が低下し、睡眠障害を起こしやすくなります。 よって答えは1になります。 続き

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例えば学生時代も、眠くて勉強どころではなかったという方も多いのではないでしょうか?睡眠不足になることで脳の活動量が低下してしまいます。


眠りを促す働きがあるメラトニンの分泌量が加齢にともなって減少することも関係しています。 【参考記事】 不眠症. 症状の種類と特徴について。

このメラトニンは一生の間で分泌量が変化します。10歳までをピークに加齢によって分泌量がどんどん下がっていきます。50~60歳台になると、ピーク1/10以下になってしまいます。このため、睡眠の質が落ちてしまい、朝早くに目が覚めるようになります。

一般的に高齢者は、寝つきが悪く、眠りが浅くなりがちです。 ..

高齢者ではメラトニンの分泌が低下しますが、午後10~12時、午後2~4時の計4時間、4週間程度2500ルクスの光照射を行うことで、メラトニン分泌が若年者の水準まで上昇し、睡眠障害を改善することが可能です。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

大切なことは、その原因をちゃんと理解して、睡眠に対する心構えをつくることです。ここでは、高齢者の睡眠の特徴をご紹介し、その対策をお伝えしたいと思います。そして、睡眠に対する考え方をいっしょに考えていきましょう。

Mishima K et al (2001) J Clin Endocrinol Metab

高齢者の睡眠障害の改善のための、光の活用について解説します。

第6回 睡眠障害のメカニズムについて(サーカディアンリズムなど)

では、高齢者が健康な睡眠を守り“快眠ライフ”を送るためには、どのような工夫が必要なのか。井上先生にいくつかポイントを挙げていただきました(表)。
① 8時間睡眠にはこだわらない
1日8時間の睡眠が必要と考えている高齢者が多いようですが、実際に日本人の睡眠時間は平均約7時間、高齢者では6時間程度です。適切な睡眠時間には個人差があり、季節によっても変動します。したがって、何時間という数字にこだわらないことが大切です。
② 眠くなってから床に就く
眠くないのに無理に眠ろうとする、それがストレスになり、かえって眠れなくなります。眠くなるのを待って、寝床に入るようにします。
③ 起きる時間を一定にする
寝不足気味のことがあっても、起きるのは毎朝、同じ時間にします。三度の食事も決めた時間にとるようにして、規則正しい生活習慣を身につけましょう。
④ 昼間はしっかり活動性を上げる
朝は日光を取り入れ体内時計を調節します。そして、昼間の活動性を高め、散歩や運動などで太陽の光を十分浴びるようにします。 井上先生は「高齢者の中でも、アクティブな生活を送っている人は、概して睡眠障害になりにくいことが分かっています。家に閉じ込もらず、できるだけ外に出て、活発に活動することが、健康な睡眠を守る知恵」と話しています。

体内時計を調節するホルモン、メラトニン · 体内時計の乱れが起こすこと · 体内時計の ..

人間が睡眠を取る理由は体力の回復にあります。しかし、体力の低下や仕事がないことで日中に活動量が低下していれば、そもそも疲れていないため体力もあり余っています。

今回は、脳の松果体という部分から夜間に分泌されるホルモン「メラトニン ..

このように、高齢者では睡眠の質の変化、体内時計のずれなど、不眠や早朝覚醒を起こしやすい下地があります。しかし、それだけで睡眠障害が起こるわけではありません。「それに加えて睡眠障害のリスクを高めるのは日頃の生活習慣です」(井上先生)。
例えば早朝の散歩。高齢者は、健康に良いからとよく早朝に散歩をします。しかし、実は朝早くから光を大量に浴びることで、体内時計はどんどん前倒しにリセットされていきます。その結果、夜は早くから眠くなり、朝はますます早く目覚めるという悪循環に陥ることもあるのです。井上先生は「生活パターンが乱れ、夜型に傾いているような若い人なら、朝活はお勧めです。しかし、高齢者では、早朝覚醒を防ぐため、極端な早朝活動は控えるのが賢明です」と注意を促します。
また、何もすることがないからと、眠くないのに早く床に入るのも考えもの。「眠らなければ」という意識が強く働き、かえって目がさえて眠れなくなるというパターンに陥りがちです。
高齢者では、こうした生活習慣に加えて、服用している薬の副作用が、睡眠障害を引き起こすこともあります。代表的なものとして、自律神経・中枢神経系に作用する薬やステロイド薬、降圧薬(β遮断薬、Ca拮抗薬)などが挙げられます。さらに、うつ病、自律神経失調症、不安障害、むずむず足症候群、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因で不眠になるケースも少なくないといいます。井上先生は「睡眠障害には薬や病気が関与していることが多いので、眠りに不安のある方は、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみることも大事」とアドバイスします。

例えば「これから夜ですよ」という信号を体内時計が出すと、メラトニンが分泌され、眠りの準備を始めます。 ..

そもそも、眠れなくなってしまう原因とはどのようなものなのでしょうか?いくつかの原因が考えられますが、なかには高齢者特有のものもあります。

メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった ..

高齢者で睡眠障害が起こりやすい要因として、体内時計の微妙なズレも指摘されています。
人間には、ほぼ1日周期でリズムを刻む体内時計が備わっており、意識しなくても、昼間は心と身体が活動状態に、夜になると休息に切り替わります。私たちが夜、自然に眠りへと導かれるのは、この体内時計の働きによるものです。
体内時計は約25時間周期と考えられています。人間は地球の自転に合わせて24時間周期で社会生活を送っています。よって、毎日1時間ほど体内時計はずれますが、朝起きて、日光を浴びたり、運動することでうまく調整されています。この1日周期のリズムを概日(がいじつ)リズムと呼びます。自然のリズムですが、井上先生によると、高齢者の場合、体内時計が前倒しにずれたり、リズムの振幅が小さくなって、これらによる睡眠障害を起こしやすい傾向があるといいます(図2)。
「若い人でも、深夜の残業、夜更かし、運動不足など生活習慣の乱れが続くと、体内時計に狂いが生じます。高齢者の場合、加齢による生理的な変化と生活習慣の影響が重なって、体内時計が少し前に進みがちです。早朝に目が覚めたり、夜、早く眠くなったりするのはこのためで、それによって不眠などの障害が起こりやすくなります」(井上先生)。
ではなぜ、体内時計に微妙な狂いが生じるのでしょうか。そのカギを握るのが、脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から分泌される「メラトニン」というホルモンです。 メラトニンは体内時計に作用して、自然な眠りを誘う働きがあります。私たちが夜、眠くなるのは、このメラトニンが活発に分泌されるためです。ところが最近の海外の研究で、高齢者ではメラトニンの分泌量が減少することが明らかにされています。井上先生は「メラトニンの減少が睡眠・覚醒のリズムを乱して、それが、眠りの浅さ、早朝覚醒など高齢者の睡眠障害に関係すると考えられます」と説明しています。

発達課題をふまえ、老年看護の機能と役割を理解する。 高齢者の理解

人はなぜ眠るのか。古くて新しい疑問ですが、まだ明確な答えは出ていません。ただ、はっきりしているのは、脳を休ませ、身体の疲れをとり、心身の機能を回復させる上で、睡眠は欠かせないということです。
この大事な睡眠に、何らかの支障をきたし日常生活に影響が及んでいる状態を「睡眠障害」といいます。「布団に入ってもなかなか寝つけない」「眠りが浅い」「一晩に何回も目が覚める」「朝の寝ざめが早い」などがよくみられる症状です。
こうした睡眠障害は若い人にもみられますが、高齢になるほど頻度が高くなります。井上先生はその一因として「加齢による睡眠の質の変化」を挙げます。
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。レム睡眠は、身体の力は抜けているものの脳は活動している浅い眠りです。一方、ノンレム睡眠は脳の活動が低下している眠りで、3段階に分けられます。入眠後は第1段階から2、3段階へと、徐々に浅い眠りから深い眠りへと移っていきます。睡眠中は、このレム睡眠とノンレム睡眠が一定の周期で、一晩に4〜5回繰り返します。井上先生は「ノンレム睡眠の第3段階は熟睡状態といえます。ところが高齢者では、この第3段階が減り、特に70歳以上になると、ほとんど消失していることが多くなります。これは、加齢による老化現象で睡眠の質が変わり、眠りが浅く、しかも分断されがちになっているためです(図1)。これ自体は生理的な変化ですので、すぐに中途覚醒や早朝覚醒などの睡眠障害が起こりやすくなっているといえるでしょう」と説明します。

[PDF] メラトニンは、細胞を守ったり、規則的に眠気をもたらす

健康を保つために睡眠はとても大切です。充実した睡眠は、心身の疲労を回復させるだけでなく、記憶を定着させたり、免疫機能を強化する役目も果たしています。しかし、高齢になると、夜眠れない、眠りが浅い、朝早く目が覚めてしまうといった症状を訴える方が増えてきます。高齢者では、なぜ睡眠のトラブルが起こりやすいのか。その原因と対策について、東京医科大学睡眠学講座教授で、医療法人社団絹和会 睡眠総合ケアクリニック代々木 理事長の井上雄一先生にお聞きしました。

高齢者の血圧は上がりやすい?高齢者の高血圧について medical column

不眠は高齢者の睡眠の問題として多いものです。具体的には、症状です。眠れないことで、日常生活に支障が出ると、不眠症と呼ばれています。