病院報 Vol.16(小児外来で使用している抗生物質について(前編))


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左上:福田明子氏 神戸市立医療センター中央市民病院小児科 医師
左下:木村 誠氏 神戸こども初期急病センター 薬剤師
右上(左):大竹正悟氏 兵庫県立こども病院 感染症内科 医師
右上(右):藪下弘樹氏 兵庫県立こども病院 感染症内科 医師
右下:笠井正志氏


医療用医薬品 : メイアクトMS (メイアクトMS小児用細粒10%)

治療開始から24時間以上経過し、全身状態がよければ登校(登園)許可証を発行しています。学校保健安全法施行規則第18条において、学校で流行が起こった場合、必要に応じ校長が学校医の意見を聞き、第3種の感染症として出席停止措置をとれる疾患です。

厚労科研宮入班2017₋19が昨年終了し、我々も第1期の取り組みにいったん区切りをつけました。今年度から厚労科研宮入班2020₋22が始まったのにともない、神戸・姫路とも新しく後期研修医の先生方をメンバーに迎え、第2期の活動を始めています。
神戸に関しては、3つ新しいことを考えました。まず抗菌薬の処方動向調査ですが、セフジトレンに代わってアモキシシリン(広域ペニシリン系)、セファレキシン(第1世代セファロスポリン系)、クラリスロマイシン(マクロライド系)の3剤について、モニタリングとフィーバックを行っています。フィードバッグについては、アンケートで「不適切処方という言い方はきつい」という意見があったため、「不適切処方」ではなく「適切処方」の割合を報告することにしました。現在、4名のチームで月1回ミーティングを行い、AMR NEWSを発行しています。

○ マクロライド系の抗菌薬(クラリス=クラリシッド=クラリスロマイシン、ジスロ ..

医薬品の添付文書(効能書き)には、体内での薬物動態が記載されています。血中濃度の推移や尿への排泄などのデータです。

例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。

○ メイアクト、フロモックス、ワイドシリンなど、扁桃炎や中耳炎に使われる抗菌薬.

抗菌薬処方マニュアル「GRAT」を作成し、センターの診察室に置きました。アンケートの「マニュアルがほしい」という声に応えたもので、内容はひめマニュを踏襲しています。
3つめはまだ調整中ですが、保健所を中心に神戸市の行政を巻き込んだ情報公開・広報・市民教育を考えています。情報公開・広報については、神戸市が感染症の発生状況を独自に収集・公表しているホームページ「神戸市感染症統合情報システム」に、「急病センターにおける毎月の抗菌薬処方動向」も載せてもらう方向で動いています。AMR NEWSは紙ベースで、出務医師がセンターに来た時しか見られないため、教育波及効果が少ない・遅いという課題がありました。ホームページで公表すれば、他の市町村が何かアクションを起こしたいと思った時にも参考にしてもらえます。このように、行政を巻き込んで地域における処方動向や取り組みを公開することは、One Healthという観点からも望ましいと考えられ、まずは過去のデータから上げていく予定です。

最初から歓迎はしていただいたのですが、フィードバックをくり返す中で「自分はなるべく考えて出すようにしているけれど、後送病院の若い先生は簡単に抗菌薬を処方するよね」といった、先生方の本音も見えてきました。センターだけでなく地域全体で我々に期待する思いを知ったことで、私自身も職場の同僚医師にフィードバックをくり返すようになりました。研修が終わりチームを離れる時には「病院の先生方があまり出さなくなったね」といった前向きな言葉もいただき、地域全体での意識変革に貢献できたのではないかと思っています。

抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック

一般的な感染症であれば、服用開始から2~5日程度で症状が改善してきます。
ただし、症状が良くなったからといってすぐに服用を中止してはいけません。症状をしっかり改善し、かつ耐性菌の発現を防ぐためには一定期間服用を続けなければいけません。
したがって、重篤な副作用などがない限り、処方されたクラリスロマイシンは飲み切るようにしてください。

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耐性菌は本当に大きな問題であり、特に有名なのがMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)、や多剤耐性緑膿菌などで、ニュースでも集団感染が取り上げられたりします。

ちょっと前に日本でも『カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)』という菌が検出され話題となりました。『スーパー耐性菌』とも呼ばれ、有効な抗生剤がほぼ存在しないわけです。
『カルバペネム系』は効かなくなることがニュースになるくらい重要なお薬なわけですね。


クラリス錠 200mg クラリスロマイシン 1 日 400mg

全てのキノロン系は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)及びアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりキノロン系薬の血中濃度が低下し、キノロン系薬の効果の減弱が予想されます。
痛み止めとの併用により痙攣などの症状がみられることがあります。
痙攣などの症状が強く出る薬剤の組み合わせ(ロメフロキサシン塩酸塩とフルルビプロフェン(商品名:フロベン))は併用禁忌です。

メイアクトMS小児用細粒10%/セフジトレン ピボキシル ..

同じ成分の薬です。どちらも先発品です。製造会社が異なりますがどちらもクラリスロマイシンであることには変わりありません。薬価には多少の違いがありますが、先発品とジェネリック薬ほどの大きな差はありません。

サワシリン(抗生剤) · メイアクト(抗生剤) · セフジトレンピボキシル(メイアクトのジェネリック) ..

抗菌剤の選択に関しては、他にも、コストの問題(同じ効果なら安いほうがいいでしょう)、投与経路の問題(内服か注射かなど)などから、専門的には「より狭域抗菌剤がいい(いろんな種類の細菌に効くより、ターゲットを絞った抗菌剤がいい)」、「難治性細菌への抗菌剤(特別な抗菌剤)を温存するほうがいい」などありますが、ここでは割愛します。

メイアクト』やセフカペンピボキシル『フロモックス』など。 ..

初回はまったく温度感がわからない中でのフィードバックで非常に緊張しましたが、フロアから温かい声をいただき感激したのを覚えています。出務医師は現場では一人で対応するので、センター全体で抗菌薬がどれぐらい使われているのか、どんな病名に処方されているのかはわかりません。先生方も「誰かが手を上げて、地域全体で抗菌薬の使い方を変えていかなければ」と感じていたようで、そこに我々が切り込んだことにとても感謝されました。

クラリスロマイシン『クラリシッド』、アジスロマイシン『ジスロマック』があります。

細菌が感染症をひきおこすと体の防御反応として「炎症」がおきます。すると、発赤熱感疼痛腫脹機能障害といった炎症の徴候があらわれます。医師は「炎症の徴候」をみて、細菌感染症を疑い、診断します。

①メイアクト MS 錠 100mg(メイアクト錠 100(旧錠剤※1))における使用成績調査 ..

マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。

注 2)マクロライド耐性肺炎球菌(クラリスロマイシン:MIC≧1μg/mL)12 株を含む.

抗菌薬の処方動向調査は引き続き行っていきます。そのほか今提案しているのは、耳鼻咽喉科の処方動向についてのモニタリングです。耳鼻咽喉科は同じ中耳炎でも重症例が対象となり、抗菌薬の処方割合も高い傾向にあります。重症度に合わせた処方をしているかなどを評価し定期的にフィードバックすることで、意識や行動の変容にどれぐらいつながるか、これから調べていきたいと考えています。

なぜ抗生物質は飲みきらないといけないのか? | フラワー薬局通信

フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。

メイアクトMS小児用細粒10%; セフジトレンピボキシル; 100mg1g

一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。

クラリスロマイシンDS10%小児用「EMEC」; クラリスロマイシン; 100mg1g

溶連菌に感染すると、体の中にある特定のたんぱく質(ASOとASKという)が上昇します。これらのたんぱく質を測定することで、感染があるかどうかを判断します。

カンピロバクター クラリスロマイシン経口(CAM)3~5 日間 ..

医師は、オーダリングシステムでメイラックス錠 1 mg を新たに入力しようとした。その時、間違ってメチコバール細粒 0.1% を消去してしまったことに気がついて、再度入力しようとしたが、メイラックス錠の上部に表示されていたメイアクト MS 錠 100 mg を誤選択してしまった。

[PDF] クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 を服用される患者さんへ

セフジニル(セフゾン他)は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)及びアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりセフジニルの血中濃度が低下し、セフジニルの効果の減弱が予想されます。鉄剤などを服薬している方は、セフジニル服薬後3時間程度空けて鉄剤を服薬してください。

マイコプラズマ肺炎 クラリスロマイシン 15mg/kg/日, 分2 (10日間) ..

クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。

病院報 Vol.17(小児外来で使用している抗生物質について(後編))

胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。