『トップガン マーヴェリック』の信じがたい飛行シーンはどうやって撮られたか――不可能に挑んだ者たちの軌跡


「空を飛びたきゃ観てみな」、という感じでしょうか。実際に自分が飛んでいるような没入感を体感できたので。あと、「前作を観ていなくてもとにかく今作を観てほしい」というのは続編を作る人が誰しもぶつかる課題だと思うんですが、「トップガン マーヴェリック」は前作を観ていなくても十分楽しめると思いました。逆に、今作をきっかけに前作を観てみてもきっと面白いのではと思います。


マニューバ軌道を考えようぜ(トップガン:マーヴェリックの話5)

「シートベルトがもっときつく締まっているべきだったんですが、彼が飛び上がるようすがとても素晴らしかったので映画に採用することにしました」とはコシンスキーの弁。「ステルス機の『ダークスター』がエド・ハリスの頭上を飛んでいくシーンなんか、セットが壊れちゃってるんです。守衛室の屋根が吹き飛んでいるのが見てわかります。あれは想定外でした。1回目でセットが壊れたのであのワンテイクしか撮れなかったのですが、それが映画で使われています」

──なるほど。たくさんお話を伺ってきましたが、最後に大童先生が周囲の方に「トップガン マーヴェリック」をお薦めするとしたら、どのようにアピールされますでしょうか?

このSu-57はそこにスピンも入ってるのがキショい(褒) これ ..

アメリカのエリートパイロット養成機関“トップガン”は、“絶対不可能”な任務に直面していた。最後の切り札としてチームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格から一向に昇進せず現役であり続けるマーヴェリック。亡き親友グースの息子“ルースター”や上官と対立しながらも、彼は新世代トップガンとともにミッションに命を懸ける。

「私にとってこの第三幕は、『トップガン』の美学を逆手に取るチャンスだったんです」と語るコシンスキー。「こういう『トップガン』らしいルックのシーンはおなじみですが、ここでは4機のジェットが、海軍が実際に使っているコースで低空飛行をしています。ワシントン州のカスケード山脈で撮ったこの映像は、本作の中でもとりわけ壮観で強烈な空撮シーンになっているんじゃないでしょうか」

5th gen Fighter Su-57 / T-50 doing the Pugachevs Cobra ..

実はそこが少し気になっていて。例えばさっきお話に出たブラックバードのような偵察機が登場したときに、これは懐古趣味ではないというか、「前作を観た人たちが過去を懐かしむことを善とする作品ではないのかな」と思ったんですよ。飛行機ってカッコいいし、ロマンがあるよねって話でもあると思うんですが、人間ドラマでもあるんですよね。そこは若い世代にも満足してもらえるんじゃないでしょうか。

映画の最後に飛ぶのは、第2次大戦で最高の戦闘機と評されるアメリカのノースアメリカンP-51マスタングだ。実はこの機体は本来はP-51の機体にカメラを搭載したF-6偵察機として作られたんだそうだが、実質的にP-51とF-6は同じ機体だから、ここではとりあえず区別しないことにしておこう。P-51は生産機数が1万機以上、1950年代の朝鮮戦争でも使われて、その後民間に売却された機体も多く、今でも170機ぐらいが飛んでいる。のP-51(本当はF-6…いやいや、区別しないと言ったじゃないか)も、そんな機体の1機というわけだ。

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でも真面目な話、実際にアメリカ海軍が協力してくれることが大きいと思っていて。僕もできることなら取材したいと思っています。F/A18スーパーホーネットをかなり乱暴に扱うシーンが当然ありますし、前作では訓練中の事故も描いています。そもそも軍側がマーヴェリックのような人物に「こんな無茶な奴いねーよ!」と思うかもしれないですし。軍として不名誉な面があるかもしれないんですが、「トップガン」チームが軍の信用を勝ち取ったからこそできた映画だと思います。僕もクリエイションするうえで、ほかの人の信用は欲しいですからね……(笑)。

監督のコシンスキーと制作チームが限界までリアルを追求したからこそ、『トップガン マーヴェリック』が驚くべきスペクタクルとなったのは間違いない。でCGIの世界からキャリアをスタートさせたコシンスキーは、のちに『トロン:レガシー』や『オブリビオン』といった長編映画を手がけることになるが、今回の経験は彼にとってもまったく新しいものだったに違いない。しかしだからといって、コシンスキーがCGの世界を離れるわけではなさそうだ。


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そして現れるのが敵の「第5世代戦闘機」だ。この姿はロシアのスホーイSu-57なんだが、厳しい飛行機ファンの目から見ると、細かいところがいろいろ違うそうだ。「第5世代」というのは今日の最新戦闘機の特徴についての総称みたいなもので、F-14トムキャットなどは優れたレーダーとミサイルを装備して、運動性に優れて「第4世代戦闘機」といわれ、F/A-18E/Fスーパーホーネットはそれよりもさらにレーダーや情報能力が進化しているので「第4.5世代」といわれる。「第5世代」はそれにステルス性が加わって、レーダーの他にも赤外線画像装置などのセンサー類が進化、データ・ネットワーク能力も優れてくる。しかもロシアの戦闘機はアメリカの戦闘機をさらに上回る運動性が特徴で、空中で機首を上げてそのまま機体を回転させるというような、とんでもない飛び方ができる。

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「会話ができる相手はパイロットだけで、地上に戻るまではどんな映像が撮れたのかさえわかりません」とテラーは説明する。「基地に戻ったら、撮れた映像を再生して『ああ、照明が消えてる。あそこはもっとうまくできたのに。僕の目線があいつと合ってない』みたいな反省をするわけです。この撮影を成功させるには高度な技術が必要でした。ジェット機で飛びながら、さまざまなことを大量にこなさなければいけません」

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そうですね。でもさらに言うなら、これも「風の谷のナウシカ」などで描かれた角度ですけど、足元にカメラを置いて股の間からパイロットを映すようなシーンも観てみたいです。もっとIMAXカメラが小さくならないといけないですけど……もしもこの後に続編があるなら期待しています。でも少なくとも、「トップガン マーヴェリック」の時点でこれまであった制約を1段、2段、3段と突破しているのは確かです。戦闘機のコックピットってめちゃくちゃ狭いので、カメラを載せるなんて普通は冗談じゃないと言われるはず。それが実現できているというところも、今作の見どころだと思います。

TOP GUNのようなコブラ的機動をみせるレガホ Maverick on board

今日の「」は「海軍航空戦開発センターNAWDC」という機関の「戦闘攻撃戦術教官SFTI」養成コースとなって、ネヴァダ州のファロン基地で訓練を行っている。前作の「」はミラマー基地のNFWSが舞台だったが、今作の「」はファロン基地でのSFTI養成コースのお話ではなくて、この「」での訓練課程を卒業した凄腕のパイロットたちを、マーヴェリックが特別ミッションのためにさらに鍛える、というお話だ。

Finnish F/A-18 perform cobra maneuver

そうですそうです! ああいう定番のショットが映っているのが最高です。今までアニメでしか観たことがなかったっていう描写が実写で観られました。あと、多くの戦闘機や戦争を描いた作品では弾数に嘘を付くんですよね。弾数が無限のようで、ずーっと撃ち続けているように見せるとか。今作はそうじゃないですよね。機関砲を打っていくとどんどん弾薬のメーターが減っていって、弾数を誤魔化していないんです。敵からミサイルを発射されたときには、熱源を追っているミサイルに対して変わり身のようになってくれるフレアが効果的なんですが、フレアってそもそも燃えているだけの弾で地味な装備でして。あれで攻撃することはまずないし、そもそも武装じゃないのに、フレアがめちゃくちゃカッコいい。SEも良くて、こんなにカッコいいフレアの描き方があるんだ!と驚きました。

Unidad de Gestión Educativa Local Huancavelica

「空撮のシーンではジェット機の外側にカメラを取り付けました。海軍のパイロットたちには映画制作について、私たちが求める照明、高度、速度、画角を説明しなければなりませんでした。彼らはこの映画ではカメラマンとしての役割も担っていたのです。巨大な規模のチームが必要でした。私たちはトップガンと――本物のトップガンと――仕事をしているわけですから、相手がベスト・オブ・ベストの人々であることはよく理解していました。それでも毎日、私たちは彼らがトップガンたるゆえんを見せつけられました。もちろん安全が第一なのですが、彼らが航空機で見せるプロ意識と技術の高さは、驚くべきものでした」

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そして「楽しい」というのはまさしく『トップガン マーヴェリック』のことでもある。初夏の超大作映画に観客が期待するものをすべて盛り込みつつ、スクリーンから飛び出してきそうなほどリアルなアクションが加わることでさらに高いレベルの作品に仕上がった。それは長く困難なミッションだったかもしれないが、トップガンのエリートばりの精密さによって、作戦は成し遂げられたのである。

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──非常に勉強になります……! マーヴェリックと新世代トップガンたちの訓練や、敵との空中戦などアクションシーンはいかがでしたか?

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画角が広いから、俳優を映す画面の両端でエルロンやラダーが動いていて、「飛行機が本当に飛んでいて、空気を受けているぞ」というのがありありと感じました。ほかの映画だとけっこう省略されるところでしょうし、実際の軌道に合わせてCGを作ると機体が横に傾いたとしてもエルロンとかが稼働してないこともあると思うんです。実機で撮影していることで整合性が保たれていることがすごいですよね。あとは、ちゃんと乗って撮影していることで、Gを感じて呼吸が変わる点も映し出されていました。フッフッと出産するときのような特殊な呼吸法をしたり、表情が変わったりして。役者である彼らが体験した本物の訓練が効いているんじゃないかと思います。実機も本物だし、受けているGも本物、そしてそれが撮影されているということが何より特徴的ですよね。実際のコンバットマニューバが行われている映像としては「トップガン マーヴェリック」は一番クオリティが高いものだと思います。

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ちなみに気がついただろうか?この映画でマーヴェリックが着陸/着艦するシーンは、最後のところだけなのだ。しかもマーヴェリックが着艦させる機体はF-14トムキャット、脚を折ってしまってもう2度と飛べない。これが海軍での最後の任務となったマーヴェリックと、最後の飛行を終えたトムキャットが重なる、という演出なのだね。

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アメリカ海軍の曲芸飛行部隊で空軍のサンダーバーズとはライバル、世界でも屈指の曲芸部隊としても知られている、また伝統的にパイロットは激しい飛行をするにもかかわらずGスーツや酸素マスクを着用しない伝統がある、なお日本にはアジアツアーの一環で稀に飛来することがあるサンダーバーズと異なり、ブルーエンジェルスは1971年にブルーインパルスですらも長年曲芸が出来なかったほど近隣住民が過敏な小牧基地、しかも当時F-4で曲芸をやったことでクレームが殺到、以後日本でのお披露目は皆無となっている

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ストールは失速、マニューバは機動のことで、機体が失速に近い状態で機体を操縦する『失速後機動』とも言われています。代表的なものに、コブラとクルビットがあり、戦闘機マニアの間では有名で人気がある(か?)機動です。
で、これが実戦でどう使えるの?と言われれば??な感じもしますが、エースコンバット7では、敵機をオーバーシュートさせる(後ろの敵機にわざと追い越しさせる)のに使えるかもしれません。(まだミッションで使っていないですが、オンライン対戦では的になるだけのような気がします^^)